中小企業のホームページ、何ページ必要?標準構成と料金の目安
「うちのホームページ、何ページくらい必要ですか?」——弊社が見積もりのご相談をいただく際に、一番多い質問がこれです。
正直なところ、この質問に一言で答えるのはなかなか難しいところがあります。というのも、必要なページ数は業種や目的によって変わってくるからです。5ページで十分な会社もあれば、20ページ以上あってもまだ足りないという会社もいらっしゃいます。
この記事では、これから初めてホームページ制作を検討されている中小企業の経営者・広報担当の方に向けて、「何ページ必要か」は業種と目的から逆算して決めるという考え方を、実際の構成例や料金の目安を交えて解説させていただきます。
まず押さえたい「最低限必要な5ページ」
業種を問わず、コーポレートサイトとしてほぼ必ず必要になるページがあります。弊社が制作をさせていただく際、最初にご提案するのはだいたい次の5ページです。
① トップページ:会社の顔。何をしている会社かが一目でわかる
② 会社概要:所在地・代表者・設立年・事業内容など
③ 事業・サービス紹介:何を提供しているか
④ お客様の声・実績:導入事例やお客様の声など、信頼の裏付けとなる情報
⑤ お問い合わせ:フォームや電話番号
この5ページは「最低限の土台」だとお考えいただくとよいかと思います。特に④のお客様の声や実績は、まだ数が少ない段階でも「器」だけ用意しておくと、後から少しずつ足していけます。掲載する内容が育つほど、⑤のお問い合わせにつながりやすくなります。
なお、お問い合わせフォームで個人情報を取得する場合はプライバシーポリシーも別途用意しておくのがおすすめですが、フッター内のリンクで見せるケースが多いので、ここでは主要な5ページには含めていません。BtoB企業様の場合、名刺代わりにこの5ページだけで公開して、あとから育てていくという進め方をされる方も少なくありません。
ただ、この5ページはあくまで最小構成です。実際に問い合わせを増やしたい、採用に使いたいといった目的が明確な場合は、ここからページを足していくことになります。
業種別の標準構成を見てみる
同じ「中小企業のホームページ」といっても、業種によって力を入れるべきページはかなり違ってきます。ここではサービス業・製造業・小売業の3つに分けて、弊社がよくご提案する標準的な構成をご紹介します。
サービス業(士業・コンサル・美容・飲食など)
サービス業の場合、お客様が「どんなサービスを、いくらで、誰に提供しているのか」を知りたがっています。そのため、サービス紹介を1ページにまとめず、内容ごとに分けることが多いです。
基本の5ページ +
料金・メニュー:価格の目安
お客様の声・実績:信頼の裏付け
スタッフ紹介:誰が対応するか
よくある質問:問い合わせ前の不安解消
合計で8〜10ページ程度になることが多い印象です。特に「お客様の声」や「スタッフ紹介」は、無形のサービスを扱う業種ほど効いてきます。顔が見えることで安心してお問い合わせいただけるということが結構あるからです。
製造業(部品加工・機械メーカーなど)
製造業のコーポレートサイトは、取引先が「この会社は自社が求める加工・製造ができるか」を判断するための材料が求められる場面が多いです。
基本の5ページ +
製品・技術紹介:加工技術や対応素材
設備一覧:保有している機械・設備
品質・認証:ISO などの取得状況
採用情報:人材確保
製造業では「設備一覧」がかなり重要になることがあります。取引を検討している担当者が、対応可能な加工サイズや精度を設備から判断するためです。ここが充実しているかどうかで、問い合わせの質が変わってくるということもあります。
小売業(物販・店舗販売など)
小売業の場合、ネット販売をするかどうかで構成が大きく分かれます。EC機能を入れるかどうかは、料金にも直結してくる判断ポイントです。
基本の5ページ +
商品一覧・カテゴリ:取り扱い商品
店舗案内・アクセス:実店舗がある場合
ブログ・お知らせ:新商品や入荷情報
実店舗を持つ小売業様であれば、まずは「店舗への集客」を目的にして、ネット販売は後回しにするという判断もよくあります。いきなりECサイトまで作ろうとすると、ページ数も費用も一気に膨らむからです。
1ページ完結型のコーポレートサイト
ここまで複数ページを前提にご紹介してきましたが、実はもう一つのパターンがあります。すべてを1つの縦長ページにまとめる「1ページ完結型(LPタイプ)」のコーポレートサイトです。ページを増やす代わりに、必要な情報を1本のページに凝縮して見せる作り方で、最近ご相談いただくことも増えてきました。
どんな会社に向いているか
LPタイプが効きやすいのは、扱うサービスや商品を絞っているケースです。弊社でお話をお伺いする限り、次のような方には特にご提案することが多いです。
単一のサービス・商品を扱っている会社
個人事業主・士業のワンオペで運営されている方
これから立ち上げるスタートアップ
期間限定・特定のキャンペーンを推したい場合
SEO で幅広く狙うより、直接お問い合わせにつなげたい場合
「うちは一つの分野を深くやっていきたい」という方針であれば、無理に複数ページを作らず、1ページに強く絞るという判断も十分ありです。
メリットとデメリット
LPタイプにも当然、向き不向きがあります。ざっくり整理すると次のようになります。
メリット:制作費を抑えやすい、スマホでスクロール一気読みでき情報が伝わりやすい、離脱前に伝えたいことを届けられる
デメリット:SEO で個別のトピックを狙いにくい、情報を継ぎ足していく余地が少ない、会社の規模感や事業の広がりは伝わりにくい
複数の事業や商品ラインナップがある会社にはあまり向かない一方、「1本のサービスをまず売りたい」という段階では、逆に強く機能します。
複数ページ構成との使い分け
わかりやすい判断軸としては、「事業を横に広げていくつもりか、それとも1本を深くやっていくか」があります。
複数のサービスや事業を持っていて、これから育てていきたい会社は、複数ページ構成のほうが後々足していきやすいです。一方、単一のサービスに絞って「まずは問い合わせ・成約に集中したい」フェーズであれば、LPタイプで一気に見せきってしまうほうが結果的に成果につながることもあります。
弊社では、事業のフェーズや目的をお伺いしたうえで、どちらが合いそうかをその都度ご提案させていただくことが多いです。
「まず作る」と「後から足す」の切り分け方
ページ数を考えるとき、多くの経営者の方が悩まれるのが「最初から全部揃えるべきか、必要になったら足していくべきか」という点です。
これはどちらが正解ということはなく、会社の状況によって使い分けるのがよいと弊社では考えています。
「まず作る」に向いているケース
すでに事業内容や実績がはっきりしていて、掲載する情報が手元に揃っている会社は、最初にまとめて作ってしまうほうがスムーズです。
一度に制作したほうが、デザインやページ間の導線に一貫性が出やすいという利点があります。あとから継ぎ足していくと、どうしても全体のトーンがちぐはぐになりやすいところがあるためです。
「後から足す」に向いているケース
一方で、これから事業を伸ばしていく段階の会社や、まだ実績・お客様の声が溜まっていない会社は、無理にページを埋めようとしないほうがよい場合があります。
情報がないのに器だけ大きく作っても、スカスカのページが並ぶだけになってしまいます。それであれば、まず必要最小限で公開して、実績が増えてきたタイミングで「お客様の声」や「事例紹介」を足していくという進め方が現実的です。
実は弊社のコーポレートサイトも、まさにこの進め方で育ててきました。起業した当初はドメインを取得して、簡易的なホームページを立ち上げるところから始め、時間ができたタイミングでページを少しずつ足していきました。ある程度コンテンツが揃ってきた段階で大幅なリニューアルをかけて、今のかたちに整えた、という流れです。
弊社では基本的に、後から追加できる作りでご提案させていただくのですが、最初からボリュームを持たせたいというご要望をお持ちの方もいらっしゃいます。どちらのお考えも尊重した上で、事業のフェーズに合わせてご相談させていただいています。
情報が少ない段階で公開して大丈夫か
「まだ載せる情報が少ないのですが、それでも公開していいものでしょうか」というご相談をいただくことも珍しくありません。
結論から申し上げると、多くの場合は公開してしまって問題ありません。むしろ、完璧に情報を揃えてから公開しようとして、いつまでも公開できないというほうが機会損失になりがちです。
ホームページは一度作って終わりのものではなく、公開してから育てていくものだと弊社では考えています。会社概要とサービス紹介がしっかり書けていれば、名刺やパンフレット代わりとしては十分に機能します。
ただし、注意点もあります。「準備中」「Coming Soon」とだけ書かれたページを大量に作ってリンクだけ貼っておくのは避けたほうがよいです。訪問した方に「この会社、動いているのかな」という印象を与えてしまうことがあるからです。載せる予定がまだないページは、無理に作らず、メニューにも出さないでおくほうがすっきりします。
情報が少ない段階でも、更新のしやすさを意識した作りにしておけば、あとから困ることは少なくなります。逆に、更新できない作りにしてしまうと後々やっかいなことになります。
かなり昔の話しですが、金額で選んだ結果レスポンシブになっておらずとても見にくいデザインになってしまった、しかも制作をした会社と連絡が取れず、更新も修正もできないということで相談を受けたことがあります。幸いなことに制作会社ではなく、お客様がご自身でドメインとサーバーの管理をされていたので、比較的簡単に引き継ぐことができ、無事にレスポンシブ対応をすることができました。あとから足していく前提であれば、この「更新できる状態」を最初に確保しておくことがとても大事になってきます。
ページ数と料金の目安
最後に、ページ数と料金がどう関係してくるのか、参考までに目安をお伝えします。あくまで弊社での一例ですので、制作会社によって考え方は変わってきます。
1ページ完結型(LPタイプ):15万〜30万円程度
5ページ前後(最小構成):30万円〜
10ページ前後(標準的なコーポレートサイト):40万〜60万円程度
20ページ前後(情報量の多いサイト):60万〜80万円程度
アーチヴェクトのホームページ制作でいえば、中小企業や小規模事業者様向けの価格帯はおおむね30万円〜80万円程度で、多くのお客様は標準的な10ページ前後の構成に落ち着くことが多い印象です。単一のサービスに絞ってLPタイプで制作されるお客様の場合は、これよりも抑えた予算で公開されるケースもあります。
ただ、ページ数だけで料金が決まるわけではないという点は押さえておいていただきたいところです。同じ10ページでも、写真撮影やライティングをどこまで含めるか、EC機能や予約システムを入れるかどうかで金額はかなり変わってきます。
たとえば製造業様の設備紹介ページで、既存の写真を使えるのか、それとも新たに撮影が必要なのかでも差が出ます。最近はスマートフォンのカメラの品質も上がっているので、スマホでの撮影でも十分使用できますが、ご要望があればプロのカメラマンによる撮影も可能です。この辺りをどう組み合わせるかで、同じページ数でも総額が動くとお考えください。
まとめ
中小企業のホームページに何ページ必要かは、業種と目的によって変わります。まずは最低限の土台を押さえ、そこから事業のフェーズに合わせて足していくのが現実的な進め方です。
ポイント1:業種を問わず必要な土台は5ページ(トップ・会社概要・サービス・お客様の声/実績・お問い合わせ)
ポイント2:業種によって力を入れるページが違う(サービス業は実績、製造業は設備、小売業は商品)
ポイント3:単一サービス・スタートアップの場合は「1ページ完結型(LPタイプ)」という選択肢もある
ポイント4:情報が少なくても公開してよい。ただし更新できる作りにしておく
ポイント5:標準的な10ページ構成で40万〜60万円程度が一つの目安(LPタイプなら15万〜30万円程度)
大切なのはページ数から考えるのではなく、「何のために作るのか」という目的から逆算して構成を決めることです。目的がはっきりすれば、必要なページも自然と見えてきます。まずは自社のホームページで一番達成したいことを一つ、書き出してみるところから始めてみてください。