「10年ほど前に作ったホームページ、スマホで見るとなんだか崩れて見える気がする」というご相談をいただくことがあります。パソコンで見る分にはそれなりに整っているのに、スマホで開くと文字が小さかったり、横スクロールしないと全体が見えなかったり。
実際、今は多くの業種でホームページへのアクセスの過半数がスマホからです。飲食店や美容室のような一般消費者向けの業種だと、8割近くがスマホという例も珍しくありません。表示が崩れているサイトは、内容を読む前に離脱されてしまうということが起きます。
とはいえ「作り替え=全部作り直し」とは限りません。この記事では、リニューアルすべきかどうかを判断する5つのサインと、全面リニューアル以外の選択肢について、下関で制作をさせていただいている弊社の経験も交えて解説します。
リニューアルを検討すべき5つのサイン
まず、ご自身のホームページがどの状態にあるのかを確認するところから始めるのがおすすめです。以下の5つのうち、いくつ当てはまるかを見てみてください。
① スマホで見ると横スクロールが発生する、文字が極端に小さい
② 最終更新が2〜3年以上前で止まっている
③ 制作を依頼した会社と連絡が取れない
④ お問い合わせや電話がここ数年で明らかに減っている
⑤ 掲載している情報(料金・サービス内容・スタッフ)が今と違う
①はいわゆる「レスポンシブ非対応」の状態です。10年前だとスマホ対応が今ほど当たり前ではなく、レスポンシブ対応は別料金になることも多かったので、パソコン専用で作られているサイトも多くあります。
②〜⑤は、サイトの中身が現状と合っていないパターンです。デザインは崩れていなくても、載っている情報が古いままだと、見た方に「この会社、まだやっているのかな」という不安を与えてしまうことがあります。
5つのうち3つ以上当てはまる場合は、一度きちんと見直す時期に来ていると考えていただいてよいかと思います。
スマホ非対応が売上に与える具体的な損失
「見た目が古いくらい、そこまで問題ないのでは」と思われる方もいらっしゃいます。ただ、スマホ非対応は見た目の問題だけでは済まないということが、いくつかあります。
検索順位への影響
Googleは数年前から、スマホでの表示を基準にサイトを評価する「モバイルファーストインデックス」という仕組みに移行しています。つまり、スマホで見にくいサイトは検索結果でも上位に表示されにくくなっているということです。
いくら良いサービスをしていても、検索で見つけてもらえなければ機会そのものが失われてしまいます。
離脱による取りこぼし
スマホで開いて表示が崩れていると、多くの方は数秒で別のサイトに移ります。せっかく広告や名刺、チラシからアクセスしてもらっても、その場で離脱されてしまうということです。
たとえば月に500人がスマホでサイトを訪れていて、そのうち一定数が「見にくいから」という理由で離脱しているとすれば、これは毎月取りこぼしているのと同じことになります。
「古いサイト」という第一印象そのものが損失になる
もう一つお伝えしたいのが、スマホ非対応というだけで「このサイト、随分前に作られたままなのかな」という印象を受けてしまう、ということです。ホームページの見た目が古いと、サービス内容や会社そのものまで「古い」「今も動いているのかな」という印象につながってしまうことがあります。
現在の日本では、スマホ対応はもはや当たり前の水準になっています。だからこそ、対応していないこと自体が、「情報の更新に手が回っていない会社」というマイナスの評価に直結してしまう時代になった、というのが弊社の実感です。
以前、金額で選んだ結果レスポンシブになっておらずとても見にくいデザインになってしまった、というサイトのご相談を受けたことがあります。しかも制作をした会社と連絡が取れず、更新も修正もできないという状態でした。幸いお客様がご自身でドメインとサーバーの管理をされていたので、比較的簡単に引き継ぐことができ、無事にレスポンシブ対応をすることができました。
全面リニューアルと部分改修、どちらを選ぶか
ここが一番お伝えしたい部分です。リニューアルというと「今のサイトを捨てて、まっさらから作り直す」というイメージを持たれる方が多いのですが、実際には部分改修だけで解決するケースも少なくありません。
部分改修で足りる場合
現在のサイトの構成やデザインの方向性におおむね満足していて、問題がスマホ表示の崩れや、一部の情報の古さに限られている場合は、部分改修で対応できることがあります。
レスポンシブ対応の追加:デザインの骨格は活かしたまま、スマホで見やすくする改修
一部ページの差し替え:料金表やサービス案内など、更新頻度の高いページだけを作り直す
お問い合わせフォームの改善:入力しにくいフォームをスマホでも使いやすく整える
費用感としては、全面リニューアルが30万円〜80万円程度になることが多いのに対し、部分改修であれば数万円〜十数万円程度で収まることもあります。
全面リニューアルが向いている場合
一方で、以下のような場合は思い切って作り直したほうが結果的に安く済むこともあります。
サイトの構造が古く、部分的に手を入れるのが難しい
そもそもの目的(集客・採用など)が当時と変わっている
使っているシステムが古くて更新ができない、セキュリティが不安
10年前のサイトだと、そもそも中身をいじれる仕組みになっていないこともあります。無理に古い土台に継ぎ足すより、今の目的に合わせて作り直したほうが、その後の運用も楽になるということです。
既存コンテンツを活かす移行の進め方
「作り直したら、今まで書いてきた文章や実績はどうなるのか」というご心配をいただくことがあります。基本的には、これまで積み上げてきたコンテンツは活かすことができます。
たとえば、長く運用してきたサイトにはお客様の声やブログ記事、施工事例といった資産が蓄積されていることが多いです。これらは検索エンジンからの評価にもつながっているので、捨てずに新しいサイトへ移すのが基本です。
URLとSEO評価を引き継ぐ
移行の際に注意したいのが、各ページのURLです。何も対策せずにサイトを作り替えると、今まで検索で上位に出ていたページのURLが変わり、これまでの評価がリセットされてしまうことがあります。
弊社では、旧URLから新URLへ適切に転送する設定(リダイレクト)を行い、これまで積み上げた評価を引き継げるようにしています。
写真やテキストの見直し
移行のタイミングは、古くなった情報を整理する良い機会でもあります。最近はスマートフォンのカメラの品質も上がっているので、スタッフの方がスマホで撮影した写真でも十分使えることが多いです。もちろんご要望があればプロのカメラマンによる撮影も手配できます。
すべてを一度に完璧にしようとすると負担が大きくなるので、まずは主要なページから整えていくというやり方が現実的です。
リニューアル前に測っておくべき指標
意外と見落とされがちなのが、リニューアルする「前」の状態を記録しておくということです。改修や作り直しの効果を後から判断するには、比較する材料が必要になります。
基本的にはGoogleアナリティクスなどの無料ツールで、以下のような数字を確認しておくのがおすすめです。
月間のアクセス数:全体でどのくらい見られているか
スマホからのアクセス割合:スマホ対応の優先度を判断する材料
直帰率:1ページだけ見て離脱した割合
お問い合わせ・電話の件数:最終的な成果につながっているか
これらを事前に控えておくと、リニューアル後に「アクセスは変わらないが問い合わせが増えた」「スマホからの滞在時間が伸びた」といった変化が具体的に見えるようになります。
もしアナリティクスが入っていない場合でも、これから設置すれば数か月分のデータは取れます。作り替えを急がず、まず現状を測ってみるところから始める方もいらっしゃいます。
まとめ
10年前のホームページをそのままにしておくと、スマホでの表示崩れや情報の古さによって、知らないうちに機会を取りこぼしてしまうことがあります。ただ、対応の仕方は全面的な作り直しだけではありません。
判断基準:5つのサインのうち3つ以上当てはまるなら見直し時
スマホ非対応:検索順位・離脱・第一印象の3方向で損失につながる
選択肢:部分改修で数万円〜、全面リニューアルは30万円〜が目安
移行:既存の実績・記事・URL評価は引き継げる
準備:リニューアル前にアクセス数など現状を測っておく
大切なのは「今のサイトの何が問題で、何のために手を入れるのか」を先に整理することです。まずはご自身のサイトをスマホで開いてみて、5つのサインに当てはまるものがないか確認するところから始めてみてください。